数学系ファイルの表示テスト
テスト結果
- こちらはVSCodeでMarkdownで書き、マークダウン拡張(Markdown Preview Enhanced)でプレビュー確認したものを、CDNでMathJaxを読み込むように設定したHTMLで書き出し(プレビュー画面から右クリックメニューでできる)、そのBODYタグの内部のみをはてなブログの記事投稿画面に貼り付けたもの。
- SVGファイルの図は、どうやら埋め込まれているようで、綺麗に表示される。これなら画像変換してアップロードとかも不要。
- 元の.mdファイルでは、SVGファイルはマークダウン記法ではなく、HTMLのimgタグで書いている。多少面倒だが、パターンは同じなのでコピペでOK。このほうがサイズや位置の調整、CSS用のクラス名など付けれて融通がきく。以下は一例。
<div align="center" class="math-fig"> <img src=fig/2020-11-14-15-58-46.svg width="480" height="auto" alt=""> </div>
除算アルゴリズム
任意の整数 $a$ と自然数 $b$ $(b>0)$に対して、
となる整数 $q,r$ が一意的に(ただ一組だけ)存在する。
【証明】
この $a=qb+r \ (0\leqq r<b)$ を除算アルゴリズムの式と呼ぶ。
例えばある2つの実数 $A$ と $B$ があるとして、 $A<B$ のとき、 $A$ 以上 $B$ 未満の区間を $[A,B)$ と表すことにする。
実数をある自然数 $b$ の大きさで等間隔に分けることを考えた場合、この表記法によって実数全体は、
のように分割することができる。
これは数直線で表した場合、
このように値 $b$ で分割された数直線が想像できるが、この数直線上で例えば $[-b,0)$ の区間とは、
図のように $-b$ を含み($●$)、$0$を含まない($○$)実数の区間である。これによって、実数の数直線が大きさ $b$ によって区切られた形になる。
より一般化した式で表せば、実数 $x$ の全範囲が、次のような式で表現できる無数の区間に分けられたことになる。
ある整数 $a$ は、これらの区間の中のただ一つに属することになる。例えば $a$ が$[2b,3b)$の区間にあるとしたとき、数直線上では次のようなイメージで表され、
$a=2b+r$ であり、$a-2b=r$ である。
特に、$a=2b$ の場合、$r=0$ である。
$a\leqq 3b$ の場合は次の区間 $[3b,4b)$ に $a$ が入る。
こうして、これらの $qb\leqq x <(q+1)b$ で表される区間のただ一つに $a$ は存在するので、
$a-qb=r$ とした時の $0\leqq r<b$ となる $q$ 、$r$ が存在する。
◎ この $q$、$r$ はただ一組に限る。
そのことを背理法で証明する。
仮に $a$ の除算アルゴリズム式の表し方が2通りあったとしよう。
(1)と(2)で $a$ の値は同じなので、
これを変形して、
ここでの $q,q',r, r'$ は各々整数であるから、$q-q', r'-r$ も整数である。
仮に $(q-q')=A$ とすれば、$Ab=r'-r$ となり、$(r'-r)$ は $b$ の倍数となるから $b$ で割り切れるはずである。
しかし仮定によって $r$ も $r'$ も $b$ より小さい整数であるから
$b$ より小さい整数で $b$ で割り切れる数は $0$ しかありえない。よって、$r'-r=0$ であり、$q-q'=0$ である。
これはすなわち $q=q'$、$r=r'$ に他ならず、(1)と(2)は全く同じ式である。よって除算アルゴリズム式 $a=qb+r \ (0\leqq r<b)$ における $q$,$r$ はただ一組に限る。
なお、この証明では $q$ と $q'$、$r$ と $r'$ の大小関係が明示されていないが、式(3)を次のように書いても結果は同じなので問題は無い。